認知症や褥瘡をはじめ当院の様々な症例を随時更新してきます。|杉並区荻窪で評判の在宅医療(訪問診療・往診)の専門診療所

呼吸器系

患者YM / 97歳 / 女性 / 要介護度2 / 卵巣癌

治療前

治療前写真

患者は腰部脊柱菅狭窄症による歩行障害を伴っていたため、自宅で生活することが難しくなり、H27年1月20日施設へ入所した。同施設にて訪問診療を受けていたが、ADLが回復して来たため、同年6月26日に自宅へ戻った。帰宅後、血液検査にてLDHが高値を示し、また腫瘍マーカーのCEAが基準値上限を僅かに超えていた。暫くして両下肢にむくみが出現した。更に左下腹部に若干の抵抗を触れ、同部から左側腹部に掛けて濁音を聴取したため、大腸癌を疑い直腸癌を行った。その結果、直腸上部から直腸S状部にかけて腫瘤を触れた。以上より、精査目的にて腹部MRI検査を行ったところ、左卵巣癌が指摘された。尚、血液検査にてCA125が1010U/mL(基準値350以下)、CA72-4が68.9U/mL(基準値8.0以下)と異常高値を示した。

 

※)卵巣癌

卵巣癌は通常不正出血が見られず、症状が乏しいことからサイレントキラー(無言の殺人者)と呼ばれている。従って、卵巣癌が見つかったときには60%以上の人はすでに癌が進行していると言われている。

 

参考文献

患者さんとご家族のための子宮がん、子宮体がん、卵巣がん、治療ガイドライン第2版 編集日本婦人科腫瘍学会、金原出版株式会社

 

写真

MRI造影後(造影剤マグネビスト):直径4cm程のT2等信号の腫瘤が子宮の左寄りに見られている。

治療後

この症例に関係する症状:

患者S / 78歳 / 男性 / 要介護度2 / 肺がんの疑い

治療前

治療前写真

患者は1~2週間前から腰痛と右背部痛を訴え寝たきり状態であった。胸部聴診では、座位にて右肺野の呼吸音が聴かれ難く、打診にて同部位に濁音が聴取された。SPO2を測ると、仰臥位では96%を示し、左側臥位になると97%と余り変わらないが、反対側の右側臥位になると93%と著しく低下した。従って、右肺にHPV(注)が出現していると考えられた。以上より、右肺に胸水などの病変の存在が疑われた。入院後の胸部単純写真と胸部CT画像を示す。

※HPV(低酸素性肺血管攣縮)

換気の悪い低酸素部位の血管が収縮し、血流を減らしてガス交換の効率を高めようとする、肺循環に特有の現象を言う。

 

治療後

この症例に関係する症状:

関節・骨

患者H / 88歳 / 女性 / 要介護度5 / 多発血管炎性肉芽腫症及び関節リウマチ

治療前

治療前写真

平成25年10月18日、両膝関節に液体が貯留し熱感を伴った。また写真の様に右肘肘窩には熱感と紅斑を伴う結節様の腫脹を認めた。平成25年10月25日~12月14日の約7週間、某大学附属病院腎臓内科に入院し精査並びに加療が行われた。その結果、多発血管炎性肉芽腫症(旧名:ウェゲナー肉芽腫症)及び関節リウマチと診断された。ステロイドパルス療法後、プレドニゾロン錠20mg/日に切り替え治療が継続された。

治療後

治療継続中

この症例に関係する症状:

皮膚科

患者W / 83歳 / 女性 / 要介護度1 / 右下腿前頸骨下部の挫傷

治療前

治療前写真

H30年1月18日転倒した。同年1月23日初診にて、次の所見を認めた。即ち、①右顔面窩部と右頬骨部の打撲による皮下出血、②目袋辺りの打撲による挫創、③右肘部挫創、④右下腿前頸骨下部の挫傷、⑤右アキレス腱部のリンパ小疱などが出現していた。その際足の浮腫みは見られなかったが、同年1月27日になり右足にむくみが出現した。その際一週間後の同年1月30日には、竜脚にむくみが見られる様になり、右下腿前頸骨下部に上下合わせて直径4㎝大の二つの水疱が現れていた。同部のガーゼを剥がした際に水泡が潰れたため蜂窩織炎を起こす危険性があった。

治療後

治療後写真

そこでゲーベンクリームを塗って処置した。右足のむくみはシュテンマ―サインが陽性を示したため、下肢のむくみは外傷性リンパ浮腫と考えられた。そのため下腿から足にかけて弾性包帯を巻いた。弾性包帯は効果的で、むくみは消失傾向を示した。尚、患者は卵巣嚢腫の手術を30才の時に受けていた。

この症例に関係する症状:

患者M / 98歳 / 女性 / 要介護度2 / 体部白癬・上行結腸癌

治療前

治療前写真

患者の上腹部には中心部が退色した輪状紅斑を認めた。痒みはなく痛みを伴っていた。病院にて体部白癬と診断され、塩酸テルビナフィンクリームを塗っていたが、一向に効果が現われなかった。下腹部の恥骨上部に大きさが88.1mm×57.7mmの腫瘤と、その2週間後に同腫瘍の外側に新たに大きな28.6mm×42.0mmの腫瘤を触れた。共に可動性はなく、癒合傾向を示した。約4年前に上行結腸癌にて右半結腸切除術が行われたため、再発を疑い直腸診を行った。その結果、肛門輪より奥行き約3~6㎝の間と、3~7時方向の間にカリフラワー様の腫瘤を触れた。よって、発心は内臓悪性腫瘍が関与した遠心性環状紅斑が最も疑われた。

治療後

治療後写真

尚、同紅斑はトリアムシノロンアセトニドクリームを塗布し改善傾向を示した。

この症例に関係する症状:

患者W / 78歳 / 女性 / 要介護度5 / 脊椎カリエス(Th7)

治療前

治療前写真

16歳の時、脊椎カリエス(Th7)を患い、その後遺症として下半身の痺れと運動能力の低下を伴った。また同じ時期に尾骨部~坐骨部にかけて褥瘡(床擦れ)を合併した。それに対して治療が継続されていたが、難治性を示し、一進一退を繰り返していた。数年前までは歩行可能であったが、関節拘縮により立位、歩行は不可能になり電動車イス生活になった。徐々に車椅子での座位保持も困難になり寝たきりになった。

治療後

治療後写真

治療継続中

この症例に関係する症状:

患者N / 87歳 / 女性 / 要介護度2 / 強皮症(全身性硬化症)

治療前

治療前写真

平成20年11月頃、寒い部屋で手指のレイノー現象と指先の潰瘍瘢痕を発見した。

治療後

治療後写真

特殊検査の結果、強皮症(全身性硬化症)と診断された。レイノー現象を起こす疾患として膠原病が最も多く、その中でも強皮症の患者さんではほとんどの人にレイノー現象が現れる。レイノー現象とは、寒冷刺激により血管が発作性に収縮するため、初めは手指が蒼白になるが、次第に青紫色に色が変化していくことがある。写真の様に、お湯に浸けると症状が消える。

この症例に関係する症状:強皮症(全身性硬化症)

Mさん / 86歳 / 女性 / 要介護2 / 認知症独居

治療前

治療前写真

1週間前より左足の指の間が痛痒いので、診て欲しいと往診依頼があった。

治療後

治療後写真

左足の指の間は、ジュクジュクしていた為、乾燥部分の皮膚を剥離し検査に出した。
その結果、糸状菌が検出され水虫と判明したため、連日ボディーシャンプーで洗浄後、抗真菌薬(ラミシールスプレー)を噴霧した。

足白癬(水虫)は、中指と薬指の間にできやすい。
一方、かかとに出来る水虫は爪白癬(爪水虫)になりやすいが、この患者さんはかかとには出来なかった。

約1か月で左図の写真の状態まで回復し、痒みもなくなった。

この症例に関係する症状:水虫

M・S様 / 94歳 / 女性 / 要介護5 / 認知症で息子様と同居中

治療前

治療前写真

・訪問をさせて頂いた当初は、真皮を超える重度の褥瘡でした。

治療後

治療後写真

・デイサービスと息子さんの協力の元、処置を3ヶ月間繰り返した結果、壊死組織は排除され、 左図の状況まで回復しました。

・ご親戚、息子さん、ケアマネ様も「褥瘡って治るんだ!」と驚き、喜んで頂きました。

この症例に関係する症状:褥瘡

E・H様 / 92歳 / 女性 / 要介護4/ 認知症でご主人がなくなってから独居

治療前

治療前写真

・腰が悪くなり、認知症もあるため病院へ通院困難になり、訪問診療サービス開始

・脳梗塞後麻痺状態になり、寝たきりとなり、仙骨部分が褥瘡になる

治療後

治療後写真

・2週間毎日継続し、左図の状態まで回復した。

・ 治療後はヘルパーさんも「先生すごいですね」と驚きの声を頂き良好な関係性を築けた。
患者さんも痛いとおっしゃることがなくなった。

この症例に関係する症状:褥瘡

循環器系

患者TM / 85歳 / 男性 / 要介護度4 / 慢性閉塞性肺疾患(肺気腫)、心房中隔欠損症

治療前

治療前写真

常に、患者はベッドを平らにして呼吸している。背上げしたり、右側臥位にすると息苦しさを訴え、戻してほしいと要求する。補助呼吸筋である胸鎖乳突筋や斜角筋が著しく隆起する。従って、患者は頸部の呼吸補助筋を使って扁平呼吸を行っている。
<主要ECG所見>
1.不完全右脚ブロック
2.左脚前枝ブロック※2
3.左房負荷(terminal force V1 0.04mV以上)
4.右房負荷傾向(P軸60゜以上)
(※1)扁平呼吸(platypnea、プラチプネア)は大量の胸水、腹水や肺、心の右→左シャントで見られる。
(※2)心房中隔欠損症は前面QRS軸が110゜以上の時には二次孔欠損(心房中隔中央部欠損)、-30゜以上の時には一次孔欠損(心房中隔下部欠損)の可能性が極めて高いと言われている。後者において、欠損の為に左脚前枝がおしやられ、その結果左脚前枝ブロックを示すと考えられている。
●参考文献
長坂行雄:楽しく学ぶ身体所見.古誠堂出版
森 博愛.心電図とベクトル心電図ー最近の考え方、読み方ー.金原出版

治療後

この症例に関係する症状:

その他

患者U / 84歳 / 男性 / 要介護度4  / 当初リウマチ性多発筋痛症が疑われた甲状腺機能低下性ミオパチー

治療前

治療後

治療後写真

《既往歴》

転倒による頭蓋骨々折と両側前頭葉に外傷性くも膜下出血(平成15年)

《現病歴》

冠攣縮性狭心症にて、Sクリニックに通院していたが、平成22年12月4日若干瞼が腫れて顔全体がむくみ、右頸部痛と甲状腺腫脹を示したため、甲状ホルモン 検査を行った。その結果、甲状腺機能低下症と診断。同年12月21日より、チラージンS (25) 0.25の投与を開始した。6日後の27日朝から主に右眉間に頭痛を訴えた。 これは普通の痛みではなく針で刺されたような、焼き火箸を入れられたような感じの痛み であった。またベッドから立ち上がるときに足に力が入らなかった。翌日の28日 に膝関節に力が入らず、朝 床に倒れていて動けなかった。右頸部から右肩にかけて、また左大腿部 と右上腕部にも痛みを伴った。平成23年1月4日、主に痛みが上半身の筋肉と関節に 集中し、このため着替えたりトイレに行ったりするのが大変であった。さらに、朝起床時に 痛みのため、ベッドから起き上がれなかった。この頃より、大やヒトの幻覚が見えるよう になり、職場や仕事先に出掛けようとした。同年1月8日首のしこりの外に両下肢鼠径部、 右大腿部屈側、両下腿部にも痛みを覚えた。某大学病院の膠原病リウマチ科専門医に相談 に乗って頂き、リウマチ性多発筋痛症と診断し、平成23年1月12日よりプレドニン1 0mgの投与を開始した。4日目には痛みが軽減し1人で歩けるようになったため、2週 間おきにCRPを目安に減量を行い、現在5mgで維持している。一方、 甲状腺機能低下症の治療には、患者が高齢で狭心症があるため、チラージンSの少量から投与を開始し徐々に増量を行い、平成23年3月14日よりチラージンS125mgを服用している。主に夫の世話を妻がしているが、妻が精神的に非常に不安定になっているため、精神的に落ち 着くまで入院になった。

<コメント>リウマチ性多発性筋痛症(PMR)の特徴は主に両肩の痛みと股関節周囲の痛みで、上腕や大腿などの近位筋の筋痛を伴う。但しPMRに特異的な所見はなく除外診断 が必要で、PMRによる診断基準のみで確定することは出来ない。本患者は右肩の痛みを訴え始める以前に、先ず甲状線機能低下症の症状である瞼の腫れと顔全体のむくみが出現し ている。従って、PMRと診断するには無理があると考えられる。以上より、本症例は甲状腺機能低下症に合併する筋障害で、近位筋を中心とする筋力低下に伴い、筋肉が疲れ易いといった症状が見られる甲状線機能低下性ミオパチーと考えられる。

《参考文献》

赤水尚史、(編集)、甲状線ホルモンと関連疾患、メディカルビュー社2017.

西岡鉱治、田中敏郎、リウマチ性多発筋痛症、日本内科学雑誌、103.201

この症例に関係する症状:

脳系

現在準備中

慢性的

現在準備中

心臓系

現在準備中

胃腸系

現在準備中

肝臓系

現在準備中

目系

現在準備中