夏の夜○○に遭遇

今年の夏も暑かったですね。今年は梅雨が長くて7月でも肌寒いような日があったため、余計に暑さを感じたのかも知れません。

犬は暑さに弱いので、夜遅くならないと散歩に連れて行くことができません。夜の8時頃、試しにアスファルトに素足をのせてみると、まだじわっとした熱を感じます。そのためか、散歩が大好きな我が家の愛犬も、夏の間は余り遠くへ行きたがりません。

でも蒸し暑い空気に包まれて歩いていても、さらさら流れる川の音を聞きながら、煌々とした月を眺めるのは楽しい時間です。

ある夜も、いつものように涼しげな川の音を聞きながら歩いていると、川沿いの柵の向こう側に何か茶色いものが動くのが見えたような気がしました。目の錯覚かなと思っていると、今度ははっきりと茶色いモフモフしたものが柵の向こう側の石垣の上を、私たちと同じ方向に向かって移動しているのが見えました。「ネコかしら。ネコを見ると反射的に追いかけようとする(でもすぐに見失ってうろうろ探し回る)ドジなワンコを連れているので、困ったな。あっちへ行ってくれないかな。」と思った瞬間、柵の間からヌッと顔が出て、思わず目が合ってしまいました。それは、目がクリッとして鼻が長く突き出ている、まぎれもないハクビシンでした。しっかり目が合ったにもかかわらず、私を怖がるそぶりも見せず、柵からスルッと出て来ると、優雅な足取りで道を横切り、民家の塀を軽々跳び越えてどこかへ行ってしまいました。その間、我が家の犬は夢中でその辺りの地面の臭いを嗅いでいて、自分の後ろで起きた異変に全く気付きませんでした。野生とは程遠いワンコです。

散歩の途中でハクビシンに遭遇したのは、今回が2度目です。数年前に民家の間からスッと出てきて向かいのお寺の門の前にスクッと立って、こちらをじっと見ている動物がいました。ネコのような色をしているけれど、体も尻尾ももっと長くて、見たこともない顔立ちをしています。思わず、「あなたはだあれ?」と呼び掛けていました。すぐにお寺の中へ消えていきましたが、その時、ふと「あ、あれがハクビシンかも」と思い当たりました。

ハクビシンという動物の存在を知ったのは、昭和の終わりごろです。家族で泊った温泉旅館で、仲居さんが「旅館の庭に夜時々ハクビシンがやって来るんですよ。人の気配を感じるとすぐに逃げてしまうので、姿を見ることは難しいのですけれど。」と教えてくれました。インターネットもない時代です。ハクビシンに勝手に「白美神」という感じを当てはめて、白くて毛のふさふさした、気高さを感じさせるような動物を想像していました。

大学の図書館で司書をしている友人は、ある日、背中や手足に湿疹が出来たため、病院で診てもらったところ、動物についているダニが原因と言われたそうです。そう言われてもダニがいるような動物に全く心当たりがなかったため、職場の環境を調べてもらうことになりました。すると図書館の天井裏にハクビシンが巣を作り、その体についていたダニが、エアコンの吹き出し口からその真下にデスクがある友人をめがけて降ってきていたことが判明しました。手足に残る無数の湿疹の痕を眺めながら、「労災がきかないんだって・・・」と肩を落とす友人に、かける言葉もありませんでした。

今は、インターネットでハクビシンを検索すると、「ハクビシンの駆除ならお任せください」などという広告が出てきます。山の中にいる時は、めったにお目にかかることができない「深窓の令嬢」のような神秘的な存在だったのに、住宅地に現れるようになってからは、すっかり害獣になってしまったようです。

散歩から戻り、ハクビシンに遭遇した話をしながら、「でも、いつも犬を連れている時にハクビシンに会うのはどうしてかしら?」とつぶやくと、うちの先生が、「食べようと思っているんじゃないの」と言ったので、まさかと思いながらも、ちょっと怖くなりました。うちの先生は、時々しらっとした顔でギョッとするようなことを言う人です。

 

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第5回実務講座を開催しました

6月19日(水曜日)に第5回実務講座を開催しました。

今回のテーマは「ポジショニング」です。「ポジショニング」とは、寝たきりの患者さんや体に麻痺のある患者さんなど、自分で自由に寝返りをうつことができない方に対して行うものです。その目的は、主に①廃用症候群の予防(寝たきりの方に起りがちな褥瘡、拘縮、肺炎、浮腫、内臓機能の低下などの予防)、②日常生活のケア(おむつ交換、食事、口腔ケアなど)を行いやすくするため、そして③QOLの向上(苦痛や不眠を改善し、快適なベッド環境を目指すため)です。

ポジショニング自体は新しい考え方ではありませんが、今回は鈴木和浩理学療法士を講師にお招きして、最新のポジショニングの考え方と実践方法について教えていただきました。

実践のためにはベッドが必要となるため、会場は有料老人ホームライフステージ阿佐ヶ谷様にお願いして、部屋を貸していただくことになりました。

ベッド上で過ごす時間が長い患者さんにとって、体にかかる負担が少ない姿勢にしてあげることは、とても大切です。ポジショニングは、当院の院長も日頃から関心をもって勉強し、自ら患者さんに対して実践しています。ポジショニングに用いるのは、ご自宅にあるバスタオルやタオル、枕、クッションなどですが、その効果は絶大で、例えば、脳梗塞を発症してから右足を立てて寝るようになった患者さんに、バスタオルやクッションを組み合わせてポジショニングを行ったところ、右足を立てることはなくなり、「楽になった」とおっしゃっているのを目の当たりにしたこともありますし、眉間にシワを寄せて苦しそうな表情で寝ていた方が、ポジショニングをした後は穏やかな表情になったという報告を受けたこともあります。

鈴木講師は、体にかかる圧力を分散するために、なるべく広い面で支える、また体とマットレスの間に隙間を作らないなどの最新のポジショニングの考え方について、いくつかの具体例を示しながらお話ししてくださいました。

また、実践方法では、丸田さんにモデル(患者さん役)をお願いして、鈴木講師がタオルやクッションの正しい当て方を見せて下さいました。さらに、ポジショニングを行った時と、行っていない時の背中の筋肉の硬さの違いを実感してもらうため、参加者が順番に丸田さんの背中を指でプニプニ押す体験をさせていただきました。丸田さんの背中の筋肉の付き具合が、痩せ過ぎず太り過ぎずちょうどよかったためか、離れた所から見ていても、指で押した時の弾力の違いが分かりました。参加者のみなさんも、何度もプニプニ押しながら、「本当に全然違う」と驚いていました。丸田さんご本人も、ポジショニングを行ってもらった時は、普段重力なんて意識したことはないが、マットレスに当っている側には負担がかかっているのだと実感できたとおっしゃっていました。

ポジショニングは、正しく実践しないと効果が得られないので、少しでも参考になればと、参加者の皆様にはスマホでの写真撮影もしていただきました。

質問コーナーでは、今関っている患者さんにどのようなポジショニングを行なったら良いかという具体的な相談もあり、少しでも患者さんを楽にしてあげたいという、皆さまの熱意に心を打たれる思いでした。ある参加者は、「目からうろこ」ならぬ「耳からうろこがとれました」と感想をおっしゃっていました。後日、実際に患者さんに実践しているというお話も聞こえてきて、講座がすこしでもお役にたてたなら何よりと喜んでいます。しかし、ポジショニングは患者さんに関る介護者や、医療者、ご家族など皆が同様に実践しないと意味がないので、もっと広めていく必要があると思っています。

鈴木講師には、機会があれば今度は「車椅子上のポジショニング」についてお話ししていただきたいと思っています。

お忙しい中、講師をお引き受け下さった鈴木先生、快く会場を貸してくださったライフステージ阿佐谷様、お仕事終わりにかけつけて下さった参加者の皆様、そして体を張ってモデルを務めて下さった丸田さん、本当にありがとうございました。

 

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日本昔話とサルコペニア

幼いころは、おとぎ話や昔話を聞くのが楽しくて、「むかしむかしあるところに・・・」というフレーズを聞くと、わくわくしたものです。

ところで、日本の昔話には、「むかしむかしあるところに おじいさんとおばあさんが住んでいました」という書き出しで始まる物語がいくつもあります。桃太郎に舌きりすずめ、かちかち山、かぐや姫など、どのお話にも最初におじいさんとおばあさんが登場します。西洋の物語には、おじいさんとおばあさんがいきなり登場するお話は、ほとんどありません。しかも、どのお話でも、おじいさんとおばあさんは、貧しくて、ごちそうを食べているわけでもないのに、毎日肉体労働をしていながら、とても元気です。

桃太郎に出てくるおじいさんは山へ柴刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行っていますし、舌きりすずめのおばあさんに至っては、大きいつづらを背負って歩いています。こぶとりじいさんは夜通し踊っていますし、花咲かじいさんは木に登っています。いずれも、ものすごい体力です。

絵本の中のおじいさんとおばあさんは、現代の80歳以上の感じで描かれていますが、良く考えると、昔話の設定が江戸時代よりもっと前だとすれば、その頃は多分寿命が50年くらいなので、おじいさんとおばあさんは、40代くらいだったのかもしれません。

実際、桃太郎は、当初おじいさんとおばあさんの間に生まれたこどもという設定だったと聞いたことがあります。

昔の日本では、人々は、米や芋・豆・野菜そして川魚などを食べ、日の出とともに起きて、一日中家事や畑仕事などの肉体労働をし、日が暮れれば寝る生活をしていました。おそらく骨粗鬆症などとは無縁の体だったことでしょう。手足には、筋肉もしっかりついていたに違いありません。当時は、体が生活するための道具だったのです。

しかし、現代は、文明が発達したおかげで、家電や機械が肉体にとって変わり、体は生活の道具としての機能を失くしていきました。その結果、寿命は延びたものの、骨粗鬆症のため骨折しやすくなったり、筋肉が衰えて歩行が困難になったりする高齢者が増えてしまいました。

筋肉量が減少し、筋力や歩行速度の低下が起きることを、「サルコペニア」と言います。サルコペニアの判定基準(AWGS)によれば、65歳以上の高齢者のうち、握力低下(男性26kg以下、女性18kg以下)または、歩行速度低下(0.8m/秒)があり、筋肉量の低下があれば、サルコペニアと判定されます。サルコペニアが進むと、転倒したり、歩行が困難になるなど、要介護状態になる危険性が高まります。

そうは言っても、自分で筋力の衰えを判定するのは難しいものです。でも、普段の生活の中で、例えば、今迄開けることのできたジャムの瓶のふたが開けられなくなったり、物を移動させようとして、しっかり掴んだつもりが滑り落ちてしまったり、マーケットまで歩いて10分で行けたのに、15分かかるようになったりすることで、筋力の衰えを実感することがあるのではないでしょうか?

多くの方は、「ピンピンコロリ」、つまり死ぬ瞬間まで元気に生活することを願っていますが、そのためには、日々の努力が必要です。神頼みだけでは、筋肉量は増えません。

偏食を避け、たんぱく質をしっかり摂って、適度に日を浴びて、適度に体を動かす(特に歩く)ことを毎日続けていれば、ピンピンコロリも夢ではないかもしれません。

私も、昔話の時代なら、とっくに死んでいる年齢です。皆さまに偉そうなことを言っている場合ではないですね。ピンピンコロリを目指して、しっかり実践して参りましょう。

 

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第2回家族会を開催しました

5月18日(土曜日)に第2回家族会を開催しました。

場所は、勉強会などですっかりお馴染となったウェルファーム杉並です。

今回は、出席を楽しみにしていたのに、患者さんが急に入院することになったり、留守番をしてくれる人が見付からなかったために、来られなくなった方がいらっしゃいました。前回の家族会で、友人と会う約束をしていても、患者さんの容態が悪くなったりしてキャンセルすることが多いので、予定を立てるのは難しいとおっしゃっていた方がいましたが、こうして現実を目の当たりにすると、日頃の皆様のご苦労が身にしみます。また、参加したくても、患者さんの重症度が高く、2~3時間もの間一人にしておけないという理由から来られない方もたくさんいらっしゃいます。どんな時でも、ご自身の都合より患者さんを優先する介護者のみなさんのお姿には、本当に頭が下がる思いです。

実は、多くの介護者の方が、ご自身も病を抱えています。今回の参加者の中には、骨折による腰痛に耐えながら、コルセットを巻いて介護をしているという方がいました。今迄にも、入院して手術をしたにも拘わらず、退院したその日から再びご家族の介護を始めた方を、何人も見て来ました。入院先の主治医からは、「この体で介護するなんて無茶だ」と言われながら、「それでも自分しか介護する人がいないから仕方ないよね。」と笑っていたMさんの顔を思い出すと、今でも切なくなります。ただ、ご自身の体調が悪くても、介護は待ったなしなので、我慢しながら生活しているうちに、取り返しがつかない状態になってしまうこともあります。どうぞご自身のお身体をくれぐれも大切にしてください。訪問診療の際にご相談いただければ、診察やアドバイスなど、出来る限りご協力させていただきます。

来る日も来る日も、病気のご家族の介護に追われる日々は、本当に大変だと思います。泣きたくなる日も、情けなくなる日も、逃げ出したくなる日もあることでしょう。私たちは、今迄に多くの方の涙を見、溢れ出る言葉を聞き、逃げ出したいと言う方に寄り添って来ましたが、それがさほどの助けになったとは思っていません。それは、私たちが介護をしている当事者ではないため、介護の苦労や苦しみを共有できないからです。

でも、介護をしている人同士なら、共通体験を通してお互いに分かり合える部分が多いですし、参考になる具体的な話を聞くこともできます。

家族会には、「介護者をひとりぼっちにしない」という主旨もあります。

ご自身の経験をおひとりずつ語っていただき、今困っていることや、将来に対する不安などを聴きながら、「悩んでいるのは自分だけじゃないんだ」という安心を感じた上で、他の人の経験談から得るもの、自分の経験から他の方に与えられるものを交換し合う場となることを目指しています。

また、今回は、特別企画として「もしバナゲーム」を体験していただきました。2月に開催されたACPの勉強会でも非常に好評で、今でもゲームの貸し出しが続いているほどです。

今回は、2つのグループに分かれて、自分の命が残り少なくなった時に大切にしたいこと、実現してほしいこと、しておきたいことなどが書かれたカードの中から、自分がもっとも大切だと思う3枚のカードを選んで、何故そのカードを選んだのかを最後に一人ずつ話してもらいました。最期は一人でいたくない、だから妻より先に死にたいという男性や最期は家族と一緒に過ごしたいという女性、最期までユーモアを忘れず笑っていたいから、痛みはとってほしいという女性など、それぞれの思いに耳を傾けながら、自分を振り返る良い機会となりました。普段、自分の死に方について具体的に考える機会は殆んどありませんが、このゲームでは、自分にとって大切なカードを次々に選んでいくため、気付かないうちに考えが深まっていきます。また、自分が選んだカードを見て、「私はこれを望んでいたんだ」ということを改めて知ることもできます。

ゲームの貸し出しは、常時行っておりますので、ご家族や職場で体験したいという方がいらっしゃいましたら、診療所へご連絡ください。

家族会にご参加いただいたみなさま、ありがとうございました。

 

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令和元年

風香る5月に改元となりました。

気持も新たに頑張りたいと思います。

とは言え、HとRを打ち間違えると大変な悲劇になってしまい、コンピューター相手に文句を言いながら、修正を重ねる日々です。

みなさま、令和も引き続きよろしくお願いいたします。

謹賀新年

あけましておめでとうございます。

本年もなにとぞよろしくお願いいたします。

 

お正月3が日は、お天気に恵まれました。昼間は爽やかな青空、日暮れには鮮やかな夕焼け、そして夜には冴え冴えとした星空を望むことができました。

今年1年、お正月の天気のように、心を曇らせることなく、晴れ晴れとした気持ちで過ごしたいと思います。不安、心配、怖れなどの負の感情は、心に雲を掛けてしまいます。「笑う門には福来る」と言うように、笑顔で雲を吹き飛ばしましょう。

皆様にとって佳い一年となりますよう、心よりお祈り申し上げます。

 

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今年もお世話になりました

1月にはあんなに分厚かった日めくりカレンダーが、残り4枚になってしまいました。

来年は元号が変わり、○○元年となるのですね。昭和生まれの私は、3つの元号を生きることになります。何だか一気に歳をとったような気分です。

 

当診療所は、来年開院15年目を迎えます。思い返すと、山も谷もありましたが、多くの方に支えていただき、何とか続けて来ることが出来ました。

辛いことも、苦しいことも、人間として、また専門職として成長するためには、大切な経験だと思っています。

 

毎年、この時期になると、今年出会った方やお別れした方を思い浮かべます。

 

今年の11月には、往診に行った施設で、嬉しい出会いがありました。

院長が、患者さんの往診を終って振り向くと、後ろに数年前に亡くなった患者さんの娘さんが立っていて、「お久しぶりです」と、声を掛けられたそうです。

その方は、何年も自宅でお父様の介護をし続け、お父様を看取った時は、ご自身も60歳を過ぎていましたが、家でぼんやりしていても仕方がないと思い、介護士の資格を取ったのだそうです。そして、2年前からその施設で働いているとのことでした。娘さんは、診療に同行したスタッフに、「あら、あなたまだいたの?」と声を掛けたそうで、スタッフは、「相変わらずお元気そうです」と笑っていました。ストレートな物言いは健在のようですが、カラットした面倒見の良い方なので、みなさんから慕われているだろうなと思いながら、懐かしく温かい気持ちになりました。

 

在宅で何年もご家族を介護している人の中には、経験により専門職を上回るスキルや知識を身に着けている方がいます。ご家族を看取った後、あのスキルを生かせる場があると良いのにと、ずっと思っていました。何より、ご自身の経験から、介護する人の気持や、介護される人の気持がよく分かっているため、心を添わせる介護ができると思うのです。

大変な仕事を選び、人のために働く決断をした彼女の心意気に、心からエールを送ります。介護の現場でお会いするのが楽しみです。

 

 

年末にあたり、今年亡くなった方々のご冥福をお祈りいたします。

介護をなさったご家族の皆様、本当にお疲れ様でした。

 

現在在宅で療養中の皆様、入院中の皆様は、どうぞお大事になさってください。

ご家族の皆様もくれぐれもご自愛ください。

 

今年もお世話になりました。

みなさま、お健やかに佳い歳をお迎えくださいませ。

 

 

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「初めて」が2つの日

今回は、ちょっと格調高く、イギリスの詩人ワーズワースの話から始めます。と言っても、学生時代に学んだカビ臭い知識を、老化した頭の片隅から引っ張り出すので、正確ではないかもしれません。

ともあれ、ワーズワースは、「人はこども時代はイノセント(無垢)で自然と一体であるが、成長するとエクスペリエンス(経験)を経て、イノセンスは失われてしまう。しかし、その代り、哲学的思考を得るのだ」というようなことを言っていた人です。無垢というのは、汚れのないまっさらな状態です。幼い頃は、この世での経験が少なく、何もかもが初めてという新鮮な毎日です。

つまり、おとなになるということは、「初めて」のことが少なくなっていくことなのだと思います。だから毎日を退屈に感じたり、「今日はどんな日だった?」と聞かれても、「別に」とか、「いつもと同じ」などという答えが返って来るようになってしまうのです。

だからと言って、ワーズワースが言うように、哲学的思考を得ているかどうかは個人差があるでしょう。

 

ところで、おとなになっても、「初めて」のことに出会うと、こどもの頃のように無性に誰かに話したくなったりしませんか?

前置きが長くなりましたが、私は、先日「初めて」を一日に2回も経験し、ちょっとワクワクしたので、早速お話したいと思います。

 

ある日の夕方、犬の散歩をしていた時のことです。

学校帰りの小学校高学年くらいの外国人の少年が、3人で袋入りのスナック菓子を食べながら通りがかりました。その中の背の高い少年が、スナック菓子の袋を私に差し出して、「すみません。ぼくたち漢字が読めないので、この中に卵と豚肉が入っていないか見てくれませんか?」と言いました。(卵と豚肉を食べてはいけないということかしら。でも既に食べていたみたいだけど...)と思いながら、表示を見ると、中ほどに「ベーコン風味エキス」と書かれていました。「ベーコン風味って、ベーコンなのか、ベーコンじゃないのか...」とブツブツ言いながら悩んでいると、「それは何ですか?」と聞くので、「ベーコンは豚肉から作るのだけれど、ベーコン風味だから豚肉じゃないのかな」と答えながら尚も見て行くと、一番最後のカッコ書きの中に(豚肉を含む)と書いてありました。そこで、「卵は入っていないけど、豚肉は入っているみたい」と言うと、少年は、「そうですか。どうもありがとう」と言って、ちょっとがっかりしたような、でもやっぱりなと言うような顔をしました。少年たちは、浅黒い肌で彫の深い顔立ちをしているので、「ネパールの人?」と聞くと、「そうです」と答えました。そこで、「ネパール語で犬は何て言うの?」と尋ねると、「ククル」と教えてくれましたが、私の発音が悪いのか、3回くらい言い直されてしまいました。

実は、阿佐ヶ谷や荻窪にはネパール人が多く住んでいて、ネパール人学校もあり、スクールバスが走っています。街の中やバスなどでも多くのネパール人を見掛けますが、話をしたのはその日が初めてでした。何より日本語がとても上手で、驚きました。

でも、あの子たち、豚肉を食べても良かったのかしら。

 

その後、暗くなり始めた頃、川のほとりの道を歩いていると、少し先の公園の芝生の真ん中で、トレーナーとズボン姿の中年の女性が、空を見上げて立っているのが見えました。「あんなところで、一体何をしているんだろう」と思いながら、そばを通り掛かると、その女性が上を見上げたまま、突然「ほら見て、人工衛星よ」と言いました。それが、私に向けられた言葉なのかどうかを考える暇もなく、私も思わず空を見上げました。すると、小さな銀色のビーズのようなものが、ピカッ、ピカッと光りながら移動しているのが見えました。私が思わず、「へえ、あれが人工衛星なんだ」とつぶやくと、彼女は「すごいわねえ。1000キロも離れているのよ」と、また誰にともなく言いました。その間、顔はずっと空に向けたままでした。

そういえば、テレビで人工衛星が日本上空を通過する時間をインターネットで調べることが出来ると言っていたのを思い出し、家に帰って早速調べると、丁度その時間に日本上空を通過していたことが判りました。

見た目はどこにでもいそうな、普通のおばさんだったけど、彼女は一体何者なんだろうと思いながら、私に「初めて」の経験をくれた見知らぬ女性との出会いに感謝しました。

 

人との出会いは不思議ですね。

毎日の散歩の途中にも新しい出会いがあり、この歳になってもまだ、初めての経験ができるのです。他の人は、自分にとって「初めて」の宝庫です。

 

私は、この日以来、ネパール人と話をしたことがあり、人工衛星を見たことのあるおばさんになりました。

 

 

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自分の死に方について考えたことがありますか?

「終活」という言葉が生まれ、自分の持ち物を整理・処分したり、葬儀やお墓について自分の希望を書き記したりする人が増えているようです。でも、人生には段階があります。みんなが、ある日急にぽっくり死ぬわけではありません。多くの人がなるべく患わず、人に迷惑を掛けずに死にたいと願っていますが、歳をとると、殆んどの方が怪我をしたり病気になったりします。

平均寿命を過ぎ、人生が残り少なくなった頃、いわゆる人生の最終段階で、どんな医療やケアを受けたいかということについて、考えたり、家族で話し合ったりしたことはありますか?

ここで、「もちろんあります」と答える方は、少ないと思います。そもそもどんな病気になるか分からないし、その時受けられる医療・ケアにどんなものがあるのか想像もつかないという方が大多数ではないでしょうか。

一昔前なら、「すべて先生にお任せします」と、病院の医師に一任してしまう方もいました。でも、今は、本人や家族が医療やケア、死に場所に至るまで様々な選択を迫られます。突然具合が悪くなって、救急搬送された場合などは、余り考える時間もないまま、命に関る選択をしなければならないこともあるのです。本人に意識がない場合、人工呼吸器を装着するかしないか、家族で意見が分かれることもあり、家族は重い選択を迫られます。そんな時、普段から本人が「延命はしないでくれ」とか、逆に「どんな手段を使っても生きていたい」などと意志表明をしていれば、家族も本人の意向に沿った選択ができるのです。

そのための方法として、ACP(アドバンス・ケア・プランニング)が推奨されています。

ACPとは、元気なうちに、前もって医療やケアについての計画を立てるという意味です。でも、将来の様々な不測の事態を想定して、1人で計画を立てるのは困難です。そこで、医療や介護の専門家を交えて話し合いが行われます。ここで大切なのは、話し合うプロセス(過程)と、本人による意志決定です。話し合いは何度も行い、一度決定したことを変更するのも自由です。あくまでも、本人の意志に沿った医療やケアを目指すのが目的だからです。また、ACPは、機械的に何かを選択するのではなく、本人の生や死に対する考え方、家族への思い、最期はどこで誰と過ごしたいかなどを含めた上で、終末期の医療・ケアについて考えるものです。

現在、約6割の方が、人生の最終段階における医療やケアについて家族と全く話し合ったことがないと回答しています。

しかし、命の危険が迫った状態になると、約7割の方が医療やケアなどを自分で決めたり、望みを人に伝えたりすることができなくなると言われています。

ですから、いざと言うとき自分が望む医療やケアを受けるためには、前もって話し合い、家族や周囲の人達と考えを共有しておくことが必要なのです。

ACPで使用される質問票の中には、末期ガンと宣告された場合、重い心臓病が進行して悪化した場合、認知症が進行した場合を想定して、どこで医療・ケアを受けたいか、どこで最期を迎えたいか、また考えられる医療処置について受けたいか、受けたくないかなどを選択する項目があります。

各々の病気についての知識がないと、選択するのは難しいかもしれませんが、医師や看護師、ケアマネージャーや介護士など、経験豊富な専門家の話を参考にしながら、想像力を働かせて考えてみませんか?

「まだ元気なのに、死について考えるなんて縁起でもない」とおっしゃるあなた。「立つ鳥跡を濁さず」という教えもある通り、自分の望みを周囲に伝えておくことは、大切な家族や友人などに命に関る選択を丸投げしないための、「愛」でもあるのです。

質問票の中には、こんな質問もあります。

試しにちょっと考えてみてください。

 

問:どこで最期を迎えたいかを考える際に、重要だと思うことはなんですか。(複数回答可)

  1. 信頼できる医師、看護師、介護職員などにみてもらうこと
  2. 自分がなじみのある場所にいること
  3. 家族等との十分な時間を過ごせること
  4. 自分らしくいられること
  5. 人間としての尊厳を保てること
  6. 体や心の苦痛なく過ごせること
  7. 不安がないこと
  8. 家族等の負担にならないこと
  9. 可能な限り長生きすること
  10. 積極的な医療を続けられるこ
  11. 経済的な負担が少ないこと
  12. どんなことでも相談できる窓口があること
  13. その他(                     )

いかがでしょうか?

複数選んだ方は、さらに、その中のどれが自分にとって1番大切かを選んでみてください。ご自身が選んだ内容を見れば、逆に「自分はこんな最期を迎えたいと思っているのだな」と思い知らされることもあるかもしれません。

 

来年の2月13日には、専門職の方向けにACPの勉強会を開催します。

ご興味のございます方は、当院までご連絡ください。

 

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タネ拾い

先日、自宅で本棚の整理をしていたら、本の間から子どもが小1の時の国語のテストが出てきました。テストの上段には、イラスト入りで、迷子になったヒヨコをお母さんが探しに行く話が書かれており、下段には物語の内容についての質問があります。ところがなんと、答えはペケばかり。第1問の「ヒヨコがいなくなって、おかあさんはなにをしましたか?」という問いには、「たまごをうんだ」と解答し、その後も物語を読まず、想像力だけで書いたと思われる珍解答が続き、最後の「ヒヨコはおとなになるとなにになりますか?」という問いには、大きな字で堂々と「まっちょひよこ」と書いてありました。これを見た瞬間、私の頭の中には筋肉質?の巨大なヒヨコが登場し、笑いが止まらなくなってしまいました。今後どんなに辛いことがあっても、これを見たら絶対わらってしまうという大粒の笑いのタネを見つけ、早速タネの箱にしまいました。

タネの箱には、様々な方からいただいた写真やカード、手紙や小物などが入っています。他の人にとっては何の意味もない物ばかりですが、どれも何かのタネなのです。うれしいタネ、楽しいタネ、切ないタネ、悲しいタネ、そして今回笑いのタネが加わりました。これから折に触れ、いろいろなタネの話をしていきたいと思います。

在宅介護をなさっているご家族と患者さんの毎日は、単調になりがちです。「毎日あまり変わったことがないので、お互い話すこともない」とおっしゃる方もいます。でも、せっかく家族が一緒にいられるのに、会話もないまま過ごしては勿体ない気がします。たまには、一緒にアルバムを眺めたり、古い手紙や年賀状などを読み返してみてはいかがでしょう。認知症のある方でも、昔の写真を見せて話しかければ、記憶がよみがえるかもしれません。「へえ」と驚くような話や、思わず笑ってしまうようなエピソードも聞けるかもしれません。

笑いのタネやびっくりのタネ。季節も秋ですし、ご自宅で患者さんとタネ拾いをしてみてはいかがでしょうか。

 

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