前回、第2回実務講座開催のご報告のなかに、「PEM」という聞きなれない言葉が書いてあったと思います。
「PEM]とは、Protein energy malnutritonの頭文字です。つまり、タンパク質・エネルギーが欠乏して、栄養失調状態になっているという意味です。
院長の講義によると、PEMとは、
① 人間が生存するのに必要なタンパク質と、活動するためのエネルギーが不足した状態を指す。
② 血液検査中の血清アルブミン値は、タンパク質栄養状態の指標として評価・判定される。つまり、血清アルブミン値は、体内のタンパク質の栄養状態を表す。
③ 血清アルブミン値(正常範囲:4.0~5.0g/dl)が、3.5g/dlを下回ると、身体の貯蔵分である内臓タンパク質の減少が引き起こされる。
*具体的なイメージとしては、水がたっぷり溜まった貯水池を想像してください。水を栄養に置き換えると、PEMとは、水(栄養)がどんどん減って行き、貯水池が干上りそうになっている状態です。
では、PEMになるとどうなるのでしょうか?
① 廃用症候群(寝たきりの状態)
タンパク質により制御されている免疫機能が低下し、感染症に罹り易くなる。
不足するエネルギー源を補足するために、筋タンパク質が動員されていくた
め、筋肉量が減少し、筋力も低下する。
② 褥瘡(床擦れ)
筋肉量の減少により、骨突出が起り、褥瘡が出来易くなる。
③ 脱水
筋肉組織内の水分が減少する。加齢に伴い、腎機能も低下するため、水分や
ナトリウムの再吸収機能が低下する。
つまり、外から体に取り込まれるタンパク質が、エネルギーとして消費される量より少ないと、もともと体の中に蓄えてあるタンパク質を使わざるを得なくなるということです。そして、タンパク質は、筋肉の中に多く蓄えられているのです。
いかがですか? PEMについて、ご理解いただけたでしょうか?
皆さまも、血液検査をした際は、ご自身の血清アルブミン値を注意して見てくださいね。
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