自分の死に方について考えたことがありますか?

「終活」という言葉が生まれ、自分の持ち物を整理・処分したり、葬儀やお墓について自分の希望を書き記したりする人が増えているようです。でも、人生には段階があります。みんなが、ある日急にぽっくり死ぬわけではありません。多くの人がなるべく患わず、人に迷惑を掛けずに死にたいと願っていますが、歳をとると、殆んどの方が怪我をしたり病気になったりします。

平均寿命を過ぎ、人生が残り少なくなった頃、いわゆる人生の最終段階で、どんな医療やケアを受けたいかということについて、考えたり、家族で話し合ったりしたことはありますか?

ここで、「もちろんあります」と答える方は、少ないと思います。そもそもどんな病気になるか分からないし、その時受けられる医療・ケアにどんなものがあるのか想像もつかないという方が大多数ではないでしょうか。

一昔前なら、「すべて先生にお任せします」と、病院の医師に一任してしまう方もいました。でも、今は、本人や家族が医療やケア、死に場所に至るまで様々な選択を迫られます。突然具合が悪くなって、救急搬送された場合などは、余り考える時間もないまま、命に関る選択をしなければならないこともあるのです。本人に意識がない場合、人工呼吸器を装着するかしないか、家族で意見が分かれることもあり、家族は重い選択を迫られます。そんな時、普段から本人が「延命はしないでくれ」とか、逆に「どんな手段を使っても生きていたい」などと意志表明をしていれば、家族も本人の意向に沿った選択ができるのです。

そのための方法として、ACP(アドバンス・ケア・プランニング)が推奨されています。

ACPとは、元気なうちに、前もって医療やケアについての計画を立てるという意味です。でも、将来の様々な不測の事態を想定して、1人で計画を立てるのは困難です。そこで、医療や介護の専門家を交えて話し合いが行われます。ここで大切なのは、話し合うプロセス(過程)と、本人による意志決定です。話し合いは何度も行い、一度決定したことを変更するのも自由です。あくまでも、本人の意志に沿った医療やケアを目指すのが目的だからです。また、ACPは、機械的に何かを選択するのではなく、本人の生や死に対する考え方、家族への思い、最期はどこで誰と過ごしたいかなどを含めた上で、終末期の医療・ケアについて考えるものです。

現在、約6割の方が、人生の最終段階における医療やケアについて家族と全く話し合ったことがないと回答しています。

しかし、命の危険が迫った状態になると、約7割の方が医療やケアなどを自分で決めたり、望みを人に伝えたりすることができなくなると言われています。

ですから、いざと言うとき自分が望む医療やケアを受けるためには、前もって話し合い、家族や周囲の人達と考えを共有しておくことが必要なのです。

ACPで使用される質問票の中には、末期ガンと宣告された場合、重い心臓病が進行して悪化した場合、認知症が進行した場合を想定して、どこで医療・ケアを受けたいか、どこで最期を迎えたいか、また考えられる医療処置について受けたいか、受けたくないかなどを選択する項目があります。

各々の病気についての知識がないと、選択するのは難しいかもしれませんが、医師や看護師、ケアマネージャーや介護士など、経験豊富な専門家の話を参考にしながら、想像力を働かせて考えてみませんか?

「まだ元気なのに、死について考えるなんて縁起でもない」とおっしゃるあなた。「立つ鳥跡を濁さず」という教えもある通り、自分の望みを周囲に伝えておくことは、大切な家族や友人などに命に関る選択を丸投げしないための、「愛」でもあるのです。

質問票の中には、こんな質問もあります。

試しにちょっと考えてみてください。

 

問:どこで最期を迎えたいかを考える際に、重要だと思うことはなんですか。(複数回答可)

  1. 信頼できる医師、看護師、介護職員などにみてもらうこと
  2. 自分がなじみのある場所にいること
  3. 家族等との十分な時間を過ごせること
  4. 自分らしくいられること
  5. 人間としての尊厳を保てること
  6. 体や心の苦痛なく過ごせること
  7. 不安がないこと
  8. 家族等の負担にならないこと
  9. 可能な限り長生きすること
  10. 積極的な医療を続けられるこ
  11. 経済的な負担が少ないこと
  12. どんなことでも相談できる窓口があること
  13. その他(                     )

いかがでしょうか?

複数選んだ方は、さらに、その中のどれが自分にとって1番大切かを選んでみてください。ご自身が選んだ内容を見れば、逆に「自分はこんな最期を迎えたいと思っているのだな」と思い知らされることもあるかもしれません。

 

来年の2月13日には、専門職の方向けにACPの勉強会を開催します。

ご興味のございます方は、当院までご連絡ください。

 

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