春が来ました

春が来ました!

東京の西部に位置する杉並区は、海側に比べると気温が少し低いため、桜は開花宣言より少し遅れて咲き始めました。また先日は今年初めてウグイスの鳴き声を聴きました。荻窪は、庭のあるお宅や公園が多いので、自宅から診療所の行き帰りだけでも多くの種類の桜に出会えます。早咲きで、既に散ってしまったものもありますが、遅く咲く八重桜まで、当分の間、朝夕の通勤時に様々な桜を楽しめそうです。

 

春と言えば、卒業、入学、就職、引っ越しなど、出会いと別れの季節ですね。

私の小さな友人は今年幼稚園を卒園しました。世界中でただ一人、私を「まゆこちゃん」と呼んでくれる、えくぼのかわいい男の子です。年長さんになってからは、コロナのために幼稚園がお休みになったり、様々な行事が取りやめになったりしていると聞いて心を痛めていましたが、送られてきた卒園式の写真には、少し背も伸びて、すっかりお兄さんになった姿が写っていました。彼の人生はまだ始まったばかり。港を出港したばかりでいきなり「コロナ禍」という嵐に襲われてしまいましたが、行く手にはどこまでも広い海が広がっています。人生はまだまだこれからです。この嵐に耐えた経験は、きっと彼を強くしてくれることでしょう。

 

新しい人生に向かって一歩を踏み出そうとしている皆さまに、心からのエールを贈ります。

世の中が変われば、生き方も変えざるを得なくなります。高齢の患者さんの中には、身体が思うように動かなくなったり、物忘れがひどくなると、「以前はこんなこと簡単にできたのに」とか、「こんな体になってしまって」などと言って、今の自分を嘆く方がいますが、歳をとれば、多かれ少なかれ誰でも通る道です。現状を受け入れて、今の身体と折り合っていくしかないのです。ここまで頑張ってくれた身体をもっと愛おしんでほしいと思います。生き方も同様に、「こうでなきゃダメだ」と思い込んでいると、壁に当たって痛い思いをするだけです。逞しく、しなやかに生き抜きましょう!

 

今日、善福寺川で冬の間身を潜めていた亀が、岩の上で甲羅干しをしているのを見かけました。亀はいつも一人ぼっちですが、何にも依存せず生きることを教えてくれているようです。

 

 

節分

令和も3年目に入りました。

コロナ感染の広がりは、在宅で療養中の患者さんにも少なからず影響を与えています。例えば、人との接触をなるべく避けるために、訪問介護やデイサービスの回数を減らしたり、滞在時間を短縮したりする方が増えています。中には、感染を心配するあまりデイサービスに通うのを止めてしまった方もいます。

しかし、ずっと家に閉じこもっていると、すぐに横になってしまったり、日がな一日テレビを見たりして過ごしてしまうので、どうしても運動不足になりがちです。また、外出するという高揚感や緊張感が得られないことに加え、他の人たちから受ける刺激もないため、認知症が進んでしまう危険性があります。外で日に当たる機会が減ると、免疫力の低下にもつながります。さらに、運動やおしゃべりをする機会が減ると、食欲が低下し、水分摂取量も減って脱水になりがちです。

当院の患者さんには、このところ、自宅での転倒事故が増えています。1月から2月の寒い時期は、体が硬くなり、厚着をしていて動きづらいために、体のバランスを崩した時、とっさに体を立て直すことができず、転倒に至ってしまうケースが見られます。高齢者のうち特に女性は、骨粗鬆症の割合が高いため、ちょっとした転倒で骨折してしまう方も少なくありません。

先日東京で雪が降った寒い日に、朝食の準備をしていた患者さんが転倒したまま起き上がれなくなってしまうという事故が起きました。転倒したのは午前7時半頃とのことですが、一人暮らしのため、午後2時に看護師さんが訪問するまでずっと倒れたままだったそうです。すぐに救急搬送され、大腿骨骨折との診断により、入院して手術することになりました。いくら家の中とは言え、冷たい床の上で7時間近くも倒れていたことを思うと、どんなに心細かったことだろうと切ない気持ちになります。ケアマネージャーさんは、普段からこんな時のことを想定して、緊急時に事業所に連絡が行くブザーを渡してあったのですが、本人が携帯していなかったために、知らせることが出来なかったようです。

こうした転倒事故は、当院の患者さんに限らず、地域のあちこちで日々起きていることと思います。さらに冬の時期は、心臓疾患や脳梗塞を発症する人も多くなります。最近は、外に出ると、必ずと言っていいくらい救急車を見かけます。

地域の病院で働く皆様は、コロナの感染と闘いながら、他の疾患の患者さんの命も救うという役目を担い、想像を絶するような大変なご苦労をされていることでしょう。心からの敬意を表するとともに、皆様のご健康をお祈りいたします。

今日は節分です。コロナウイルスという鬼を払い、一日も早く人々に笑顔が戻りますようにと祈ります。

鬼は外、福は内‼️

大晦日

今年最後の日を迎えました。皆様どのようにお過ごしでしょうか。

多くの方が、「今年はあっという間だった」とおっしゃいます。毎日発表されるコロナの感染者数に一喜一憂し、感染対策に追われながら暮らしているうちに、季節は変わり、今日は、もう大晦日です。東京都の感染者はとうとう千人を超えてしまいました。最近の街中の人出を見れば、当分減ることはないだろうと思います。これからも感染と背中合わせの日々が続いていきます。

年末年始も休まず医療や介護の現場で働く皆様に、心から感謝申し上げます。

また在宅でご家族の介護をなさっている皆様、一年間本当にお疲れ様でした。

今年は病院の面会制限があったためか、ご自宅で亡くなる方が多い年でした。今年帰幽なさった方々のご冥福をお祈りいたします。

 

皆様、どうぞ佳いお年をお迎え下さい。

診療所の窓から

診療所の窓からは、民家の裏庭が見えます。その庭に一本の柿の木があって、11月頃には沢山の実をつけます。柿が美味しそうなだいだい色になると、何種類もの鳥たちが、入れ替わり立ち替わりやって来ては、細い枝に乗って、上手にバランスを取りながら柿をついばみます。

あいにく私には鳥の種類を見分けられるほどの知識がないため、雀とムクドリとカラスくらいしか分かりませんが、どこから情報を得ているのか、毎年次から次へとやって来るので、つい仕事の手を止めて見いってしまいます。

あんなに小さくて細いくちばしでは、大して食べられないだろうと思うのですが、見ていると、まるで魔法のように柿が消えていきます。時には地面に落ちてしまうこともありますが、そんな時は鳥も木から降りて食べているようです。

今年は何かと忙しかったので、今日ふと気付いたら柿の木にはもう柿が二つしか残っていませんでした。そして、そのうちの一つはムクドリが数羽やって来てついばんでいるうちになくなり、たった一つとなってしまった柿は、食べようとしていたムクドリをカラスが追いやって、ちょっと目を離した隙にもう消えていました。鳥の世界も、体の大きいものが有利なのですね。でも、体が大きい分、沢山食べる必要があるのでしょう。

そんな訳で、柿の木からはだいだい色がなくなって、寒々しい光景になりました。

師走になっても日中暖かい日が続いていますが、診療所の窓から見える景色は、すっかり冬めいてきました。毎年恒例の、太田黒公園の紅葉のライトアップも終了し、いよいよ季節は冬です。

空気が乾燥して、ウイルスに感染しやすい季節です。「コロナ疲れ」という言葉もあるようですが、外出時にはマスクをして、手洗い、うがいを習慣にし、気を抜かずに生活しましょう。

ありがとうございました。

ドラッグストアやコンビニからマスクが消え始めた頃、長年医療材料や衛生用品の注文をお願いしている会社から、当面マスクや消毒液などの注文は受け付けられない旨のFAXが届きました。その時点で、診療所にはせいぜい2か月分くらいの在庫しかなかったため、急いで他の会社も当たってみましたが、全て断られてしまいました。その頃は、テレビや新聞を見ても、大学病院や救急病院でさえ、マスクや消毒液が調達できずに困っているというニュースばかりだったので、とうてい町の小さな診療所に回す余裕はないだろうと、半ば諦め、とりあえず今あるもので何とかしのいでいこうと覚悟を決めました。

そんな時、時々立ち寄るカフェのマスターから、「マスクがなくて困っていませんか?」と声を掛けられ、「実は・・・」という話をすると、数日後に「ドラッグストアを回って何とか2箱買うことができたので」と言って、たまたまカフェの前を通りかかった私を呼び止めて、忙しい中走り回って買ってきた貴重なマスクを、惜しげもなく渡してくださいました。また、カフェの常連さんたちに当院の話をしたところ、「当分外出しないから」「自分は布のマスクで充分だから」などと言って、皆さんが家から持ち寄ってくれたという様々な形のマスクが入った紙袋もくださいました。

さらに、近所の薬局に立ち寄った際、顔見知りの薬局のオーナー夫人と「マスクがなくて困りましたね」などという会話をしたところ、「数年前に購入した医療用マスクで、細部に劣化が見られるので破棄しようと思っていたものがあるんですけど、本当にひっ迫した時には何かの足しになるかもしれないので、良かったらお持ちになりますか?」と言って、奥から何箱ものマスクを出してきてくださいました。

このように皆さまのお力添えのお蔭で、私たちはマスク不足で困ることなく、診療を続けることができました。それ以上に、皆さまからいただいた温かいご支援は、日々の診療を頑張るためのエネルギーになりました。

この地に開業して本当に良かったなと、しみじみ思っています。

どうもありがとうございました。心よりお礼を申し上げます。

 

 

このところ、東京都では再び感染者が増えてきているようです。皆さまも気を抜くことなく、コロナに感染しないようくれぐれもお気をつけください。

杉並区荻窪を中心に優しく丁寧な訪問診療を提供

近喰診療所
(〒167-0052 東京都杉並区南荻窪4-35-20-301)

社会福祉士
相談員 近喰真由子

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TEL: 03-3333-4771 FAX: 03-5336-7855

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ごめんあそばせ

先生と二人で訪問診療をしていた時のことです。大通りに出てタクシーを拾おうとしていたら、犬を連れた中年の女性が通りかかりました。その犬が、何とも言えない気のよさそうな顔つきをしてこちらを見ているので、思わず小さく手を振ると、「あなた、小池百合子さんにそっくりね」と、犬の飼い主から突然声を掛けられました。さらに、「よく言われるでしょう?」と聞かれ、「いえ、そんなこと言われたのは初めてです」と答えると、「あら、そっくりよ。私、小池さんのファンなの」と、私の困惑などお構いなしに話を続けます。似ているとは言っても、マスクを掛けているため、殆ど目と髪型限定ですし、往来で人目もあり、ちょっと恥ずかしくなったので、「ずいぶんご機嫌なワンちゃんですね」とワンちゃんに話を振ると、「そうなの。いつもこんな感じ。私はいつも不機嫌だけど」と不思議な言葉を残して去って行きました。

そこへちょうどタクシーがやって来たので、乗り込んでほっとしたのもつかの間、タクシーの運転手さんが、唐突に「私、二年前まで防衛省に勤務しておりました」と言いました。(ん?どういうことかしら?何を言おうとしているのかしら?防衛省=運転技術が確かだという自慢?)などと、私の頭の中は?で一杯になり、どう話を継いでいって良いか分からぬまま、運転手さんのガタイが良かったので、取り敢えず「自衛隊ですか?」と尋ねると、妙に緊張した様子で、「はい。そうです」と答えました。その時、突然、私の頭の中に、防衛大臣だった頃自衛隊員を前にして話をしていた小池さんの姿が浮かびました。そういえば、謎の女性と別れたあと、ちょっと調子にのって、「今度誰かに『小池百合子です』と言ってみようかしら」などと先生に言いながらタクシーに乗り込んだことを思い出しました。あの「小池百合子です」というフレーズを耳にした運転手さんが勘違いしているに違いないと思いつき、「あの、私、小池百合子さんではありません」と言うと、案の定、「あ、そうですか。そっくりでいらしたもので」という答えが返ってきました。その途端、妙に張りつめていた車内の空気が緩んで、運転手さんの肩の力が抜けたように見えました。

それにしても、言葉で人に誤った先入観を与えてしまっただけでなく、誤解を解かなければ、何にもあずかり知らぬ小池さんにまでご迷惑をお掛けしてしまうところでした。

家族にその話をしたら、「そもそも小池さん本人が『小池百合子です』と言ってタクシーに乗って来るなんてありえないよね」と言われました。それもそうですが、他人が「小池百合子です」と言って乗って来ることは、もっとあり得ない気がします。家族にはこうも言われました。「大体良い年の大人は、そんな馬鹿なことはしないよね」

おっしゃる通りでございます。とにもかくにも、すべては私の不徳の致すところです。

みなさま、ごめんあそばせ。

 

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二人っきりの訪問診療

4月13日(月曜日)、出勤してきたスタッフを前に、院長が言いました。「明日はどうやら東京に緊急事態宣言が発令されるようです。そこで、少なくとも緊急事態宣言中は、皆さんに自宅待機をしていただき、夫婦二人でタクシーを使って訪問診療を続けようと思います。今日はせっかく来ていただきましたが、このまま帰宅して、こちらから連絡するまで自宅で待機していてください。」

スタッフに自宅待機してもらうという話は聞いていましたが、まさかその日から始めるとは思っていなかった私は、内心「えーっ!」と思いながらも、「お二人で大丈夫ですか?」と心配してくれるスタッフに、何とか笑顔を見せて見送りました。

そこから二人っきりの訪問診療が始まりました。診療に必要な筆記用具やカルテ、検査キットなど最低限のものを背中のリュックに詰め、片手には先生の往診バッグを持って、タクシーを捉まえる日々の始まりです。お昼には、お弁当を買って診療所に戻り、昼食後に再びタクシーで患者さんの家に向かいました。中野方面の診療の日は、お昼に診療所に戻ることができないため、小さなお団子屋さんでお稲荷さんを買って、近くの神社のベンチでいただきました。神社を見下ろせる位置に建っているマンションで自粛生活をしていた方が、そんな私たちの姿を見たら、神社でピクニックをしている暢気な年配の夫婦がいると思ったかもしれません。

患者さん宅は、たいてい住宅街にあるため、タクシーを拾うのは容易ではありません。しかも、緊急事態宣言中で走っているタクシーの台数が半分以下になっていたために、東京無線に電話して迎えに来てもらうこともしばしばでした。そんなに苦労してまで1回1回タクシーを乗り捨てたのは、一人の人との濃厚接触を避けるためです。また、手は絶えず消毒したり洗ったりしているために、すっかり油分が抜けてカサカサになってしまいました。

5月の連休明けを目標に頑張りましたが、連休が明けても緊急事態宣言が解除されなかったので、あとどれくらい頑張れるかと自分の体力に不安を感じたこともありました。しかし、生来が楽天的なために、「今日は何のお弁当にしようかな。」「今日はどんな運転手さんに会えるかな」などと結構毎日楽しみを見つけながら、5月25日の解除の日まで何とか元気に続けることができました。

 

東京無線さんには大変お世話になりました。また、医療機関の人間だと分かっていても嫌な顔をせず乗せてくださったドライバーの皆さま、本当にありがとうございました。

この間、訪問時間がずれたり、電話での対応になってしまったりと、何人かの患者さんにはご迷惑をお掛けしてしまいました。申し訳ありませんでした。

 

困ったことに、6月に入っても、タクシーを見かけると空車かどうか確認せずにはいられない、変な癖がついてしまいました。しかも、「空車」という赤い文字を見ると、一瞬胸がときめいてしまいます。うちの先生は、「緊急事態宣言の後遺症だね」などと言って、暢気に笑っていますが、後遺症というよりはトラウマではないかしらと思うこの頃です。

日めくりはあと2枚

令和元年も幕を閉じようとしています。

みなさまにとって今年はどんな一年だったでしょうか?

年号が平成から令和に替わった今年、私どもは開院15周年目を迎え、11月にささやかな感謝の会を催しました。開院当初お世話になった方や、スタッフのご家族にも参加していただき、想い出深い会となりました。このように長年に渡って診療を続けられるのも、支えて下さる皆様のおかげと、ありがたさで胸が一杯になりました。

 

年末にあたり、今年帰幽されたみなさまのご冥福を心よりお祈り申し上げます。

ご家族を亡くされて、おひとりでお正月を迎えるみなさまには、どうしていらっしゃるかなと思いを馳せながら、気持ちだけ寄り添わせていただきます。

在宅で療養中のみなさま、介護を継続中のご家族のみなさま、今年も一年お疲れ様でした。

来年がみなさまにとって実り多い年となりますよう、心から願っております。

どうぞ佳いお歳をお迎えくださいませ。

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第6回実務講座を開催しました!

10月15日(火曜日)に第6回実務講座を開催しました。久し振りのウェルファーム杉並です。4階の会場の窓からは、今日もスカイツリーがよく見えます。

今回は「認知症に伴う摂食機能障害ー評価のポイントと対策」というテーマで、言語聴覚士の濱谷葉子氏を講師にお招きしてお話していただきました。

認知症が進むと、食事に関して様々な問題が出ることがあります。

「最近ご飯を目の前にしても食べようとしないんです」「ご飯やおかずを口の中に溜めこんで、飲み込まないんです」「箸やフォークで食べ物をつつきまわしてばかりで、ちっとも食べようとしないんです」などなど、食事に関する家族からの訴えは多く、楽しいはずの食事の時間が患者さんとご家族にとってストレスになってしまうこともあります。

これらは周辺症状(BPSD)と呼ばれるもので、認知症の人すべてに起きるわけではありません。

濱谷講師は、認知症の原因疾患別の症状と摂食・嚥下障害の特徴などについてもお話しくださいました。認知症の代表的な疾患として、アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症、レビー小体型認知症及び前頭側頭型認知症の四つが挙げられ、それぞれについて摂食・嚥下障害の特徴などの説明がありました。このうちアルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症、前頭側頭型認知症は脳の萎縮部位が異なるため、周辺症状に違いが出るとのことでした。今患者さんがとっている行動の根拠を知り、病気に対する理解を深めることは、患者さんの気持に寄り添うためにも必要なことだと感じました。

また、摂食・嚥下障害が急に現われたり、今までになかった症状が現われた時は、他の疾患も疑われるため、注意が必要とのことでした。さら現在服用している薬の影響も考えられるため、何でも認知症のせいにしないで医師に相談してみることも大切だと思いました。

それから、何と言っても食事の時間を難行・苦行の時間にしないための工夫は欠かせません。怖い顔をした家族が「はい、ちゃんと食べて。食べなきゃ死んじゃうわよ。」などと言いながら食事を促したり、殺風景な食卓で誤嚥をしないかと心配するあまり真剣な表情の家族に見守られながら食事をしたりするのでは、楽しい時間とは言い難いものがあります。

先日、よく晴れた暖かい日に、公園のベンチで老夫婦が手作りのお弁当を食べているのを見かけました。ご主人は車椅子に座っていましたが、穏やかに言葉を交わしながら、楽しそうにお弁当を食べていらっしゃいました。多分奥様はご主人の介護で大変な毎日だろうと想像できましたが、日々の生活の中にもこんな風にちょっとした楽しみを作ることができるのだと感心しました。もっと小さなことでも、たとえば食事の時間に好きな音楽を流したり、食卓に花を飾ったり、家族が笑顔を見せるように心がけるだけでも、患者さんのQOL(生活の質)は上がると思います。それが結果的に食事の時間を楽しい時間に替えるはずです。

1日に必要なカロリーや必要な水分摂取量などに捉われたり、何とか自分で食べさせることにこだわっていると、本人も家族も疲弊してしまいます。本人にとって、安全な経口摂取の目安や限界となる時期や状態等が把握されていれば、体力が落ち切る前に別の手段が講じられ、楽しく安全な経口摂取を持続することにつながるというのが今回のお話の締めくくりでした。

濱谷葉子先生、ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。

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夏の夜○○に遭遇

今年の夏も暑かったですね。今年は梅雨が長くて7月でも肌寒いような日があったため、余計に暑さを感じたのかも知れません。

犬は暑さに弱いので、夜遅くならないと散歩に連れて行くことができません。夜の8時頃、試しにアスファルトに素足をのせてみると、まだじわっとした熱を感じます。そのためか、散歩が大好きな我が家の愛犬も、夏の間は余り遠くへ行きたがりません。

でも蒸し暑い空気に包まれて歩いていても、さらさら流れる川の音を聞きながら、煌々とした月を眺めるのは楽しい時間です。

ある夜も、いつものように涼しげな川の音を聞きながら歩いていると、川沿いの柵の向こう側に何か茶色いものが動くのが見えたような気がしました。目の錯覚かなと思っていると、今度ははっきりと茶色いモフモフしたものが柵の向こう側の石垣の上を、私たちと同じ方向に向かって移動しているのが見えました。「ネコかしら。ネコを見ると反射的に追いかけようとする(でもすぐに見失ってうろうろ探し回る)ドジなワンコを連れているので、困ったな。あっちへ行ってくれないかな。」と思った瞬間、柵の間からヌッと顔が出て、思わず目が合ってしまいました。それは、目がクリッとして鼻が長く突き出ている、まぎれもないハクビシンでした。しっかり目が合ったにもかかわらず、私を怖がるそぶりも見せず、柵からスルッと出て来ると、優雅な足取りで道を横切り、民家の塀を軽々跳び越えてどこかへ行ってしまいました。その間、我が家の犬は夢中でその辺りの地面の臭いを嗅いでいて、自分の後ろで起きた異変に全く気付きませんでした。野生とは程遠いワンコです。

散歩の途中でハクビシンに遭遇したのは、今回が2度目です。数年前に民家の間からスッと出てきて向かいのお寺の門の前にスクッと立って、こちらをじっと見ている動物がいました。ネコのような色をしているけれど、体も尻尾ももっと長くて、見たこともない顔立ちをしています。思わず、「あなたはだあれ?」と呼び掛けていました。すぐにお寺の中へ消えていきましたが、その時、ふと「あ、あれがハクビシンかも」と思い当たりました。

ハクビシンという動物の存在を知ったのは、昭和の終わりごろです。家族で泊った温泉旅館で、仲居さんが「旅館の庭に夜時々ハクビシンがやって来るんですよ。人の気配を感じるとすぐに逃げてしまうので、姿を見ることは難しいのですけれど。」と教えてくれました。インターネットもない時代です。ハクビシンに勝手に「白美神」という感じを当てはめて、白くて毛のふさふさした、気高さを感じさせるような動物を想像していました。

大学の図書館で司書をしている友人は、ある日、背中や手足に湿疹が出来たため、病院で診てもらったところ、動物についているダニが原因と言われたそうです。そう言われてもダニがいるような動物に全く心当たりがなかったため、職場の環境を調べてもらうことになりました。すると図書館の天井裏にハクビシンが巣を作り、その体についていたダニが、エアコンの吹き出し口からその真下にデスクがある友人をめがけて降ってきていたことが判明しました。手足に残る無数の湿疹の痕を眺めながら、「労災がきかないんだって・・・」と肩を落とす友人に、かける言葉もありませんでした。

今は、インターネットでハクビシンを検索すると、「ハクビシンの駆除ならお任せください」などという広告が出てきます。山の中にいる時は、めったにお目にかかることができない「深窓の令嬢」のような神秘的な存在だったのに、住宅地に現れるようになってからは、すっかり害獣になってしまったようです。

散歩から戻り、ハクビシンに遭遇した話をしながら、「でも、いつも犬を連れている時にハクビシンに会うのはどうしてかしら?」とつぶやくと、うちの先生が、「食べようと思っているんじゃないの」と言ったので、まさかと思いながらも、ちょっと怖くなりました。うちの先生は、時々しらっとした顔でギョッとするようなことを言う人です。

 

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