「寝たきり」ってどんな状態のこと?

患者さんの中には、いわゆる「寝たきり」の方も多くいらっしゃいます。

でも、「寝たきり」とは一体どんな状態を言うのでしょうか?

寝たきり高齢者とは、寝たきりで6か月以上を経過し、日常生活を行う上で介護を必要とする高齢者のことを言います。平成3年10月には、障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)の判定基準(4段階)が公表され、BとCのランクの人が、寝たきりに分類されています。

障害高齢者の日常生活自立度(寝たきり度)

生活自立 ランクJ 何らかの障害等を有するが、日常生活はほぼ自立しており独      力で外出する

1.交通機関等を利用して外出する

2.隣近所へなら外出する

準寝たきり ランクA 屋内での生活は概ね自立しているが、介助なしには外出しない

1.介助により外出し、日中はほとんどベッドから離れて生活する

2.外出の頻度が少なく、日中も寝たり起きたりの生活をしている

寝たきり ランクB 屋内での生活は何らかの介助を要し、日中もベッド上での生活が主体であるが、座位を保つ

1.車いすに移乗し、食事、排泄はベッドから離れて行う

2.介助により車いすに移乗する

ランクC 1日中ベッド上で過ごし、排せつ、食事、着替において介助を要する

1.自力で寝返りをうつ

2.自力では寝返りもうてない

「寝たきり」と言っても、一日中寝たままの状態の人だけではないということがお分かりいただけましたでしょうか?

次回は、寝たきりになる原因についてお話いたします。

みんなの朝ごはん

当院の患者さんは、80歳を超えている方がほとんどです。

みなさんこどもの頃に戦争を体験し、高度成長時代にはバリバリ働いて、家族を養い、今の日本を築いてきた方たちです。育った土地は様々でも、現在は同じ地域(杉並区周辺)に暮らしています。

このように同じ国で、同時代を生きてきた方たちでも、食の好みは様々です。

それは、朝ごはんに顕著に表れているようです。

「朝ごはんは、何を食べましたか?」という質問には、驚くほどバリエーションのある答えが返ってきます。

例えば、Hさんは、何十年もの間、朝ごはんは、コーンフレークスに牛乳をかけ、カリフォルニアレーズンを6~7粒散らしたものを食べています。それもただのレーズンではなく、必ずカリフォルニアレーズンとおっしゃるので、その辺りにこだわりがあるようです。

また、Uさんは、ご飯を好まず、トーストとミルクティー、ヨーグルト、フルーツなどを食べています。

Sさんは、オートミールを食べていると答えましたが、オートミールを食べたことがない先生やアシスタントにとっては、想像の域を超えていました。

Mさんは、カステラなどの甘いものを少量、お茶とともに食すそうです。

もちろん、純和風の朝ごはんを食べている方もいます。ご飯の硬さも、重湯から普通の硬さまで人によって様々です。

共通しているのは、沢山は食べられないことと、食事に時間が掛かることです。

何年も前の話ですが、Nさんのお宅で同じ質問をした際、料理上手の奥様が、「今朝は、トーストとヨーグルト、それにラタトゥイユを少々」と答えました。すると、先生がびっくりしたように突然「えっ?」と大きな声を出したので、奥様が慌てて「ラタトゥイユは食べさせてはいけなかったでしょうか?」と尋ねました。ところが、先生が「あのー、それは、一体なんですか?」と言ったので、みんなで笑ってしまったことがありました。今先生の頭の中にはどんな料理が浮かんでいるのだろうと想像して、吹き出しそうになりながら、私生活では、妻である私は、普段から手の込んだ料理や、ハイカラな料理を食べさせていないわが身を反省した出来事でした。

在宅で療養することの利点の一つに、ご自身が好む料理を、食べたい時に食べることができるということが挙げられます。御病気によっては、制限のある方もいらっしゃいますが、入院したことのある方は、家の食事が恋しくなる気持ちがお分かりになると思います。

みなさま、今朝はなにを召し上がりましたか?

訪問診療って何?

「訪問診療」という言葉を一度は耳にしたことがあると思います。

「訪問」がつく言葉には、他にも「訪問看護」、「訪問介護」、「訪問リハビリ」、「訪問歯科」などがあり、どれも看護師や介護師などの専門職が自宅に来てくれるサービスです。つまり、「訪問診療」は、医師が自宅に診察に来てくれるというものです。

では、診療所に連絡すれば誰でも訪問診療が受けられるのでしょうか?

当院にも1年に数回、「熱があるので、訪問診療をお願いしたい」、「おなかが痛いので訪問診療してください」などという電話がかかって来ます。最近では、「彼がどうしても病院に行ってくれないので、診察に来てほしい」という、若い女性からの切実な電話がありました。しかし、これらの依頼は、昔の医者が行っていた「往診」に当るものです。

「訪問診療」は、「在宅で療養を行っている患者で通院が困難なものに対して、その同意を得て、計画的な医学管理の下に定期的に訪問して診療を行う」ことです。つまり、病気の状態がある程度続いていることと、通院が困難であることが大前提なのです。その上で、訪問診療について御本人の同意が必要となります。同意をいただいたら、医者が病状に合わせて診療計画をたて、訪問日を決めて定期的にご自宅に伺うことになるのです。

では、「往診」とはなんでしょうか?「訪問診療」との違いは?

「往診」も「訪問診療」も医師が自宅に診察に来ることに変わりはありません。

しかし、「訪問診療」が先程お話したように計画的に行われるのに対し、「往診」は、例えば、「発熱したので、診てほしい」、「おなかが痛いので、来てほしい」など患者さんからの要請があって、医師が診察が必要と判断した時にご自宅に伺うものです。この場合も、対象となる患者さんは、普段訪問診療を受けている患者さんとなります。

「訪問診療」と「往診」の違いを、お分かりいただけましたでしょうか?

 

天候が不順なためか、体調を崩す患者さんが増えています。

今日も肌寒いので、皆さま温かくしてお過ごしください。水分を多めにとってくださいね。

台風一過

季節外れの台風でした。被害に遭われた皆さまにお見舞いを申し上げます。

今回は、当診療所についてお話したいと思います。

近喰診療所

(こんじきしんりょうじょ)

これをスラスラ読める人はそんなに多くはいらっしゃらないと思います。

しかも院長の名前は「櫻」と書いて「オウ」と読みます。近喰櫻なんて多分日本に1人だけではないでしょうか?

院長は、長年東京医科大学の老年病科(現在の高齢診療科)に在籍しておりましたが、在宅医になりたいという思いから、平成17年3月に杉並区南荻窪に在宅診療所を開設しました。院長が在宅医になりたいと思った原点は、幼い頃に見た、夜中に自転車で往診に出掛けて行く父の姿だったとのことです。

それから現在まで、杉並区を中心に訪問診療を行っております。当院は在宅療養支援診療所のため、24時間365日在宅の患者さんからの連絡を受け付け、必要に応じて往診も行っております。

診療所の最寄の駅は、JR荻窪駅と、地下鉄丸の内線荻窪駅です。環八の側でありながら、近くに善福寺川が流れているため、カモやサギなどの野鳥も多く、長閑な雰囲気の漂う地域です。

当院のスタッフは、院長の他、相談員1名、ドライバー2名、アシスタント2名です。ドライバーさんは勤続10年以上のベテランです。

これから在宅医療のこと、病気に関すること、介護に関すること、毎日のちょっとしたエピソードやためになる話など、少しずつお話していきたいと思っています。

お仕事や介護の合間に、ちょっと覗いてみてください。